そのコンプレックス身体醜形恐怖症じゃないですか? 症状と対策 整形した方がいい場合も

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人生の悩み

コンプレックスは誰しもが持っています。あの木村拓哉だって鼻がコンプレックスらしいし(ふざけんな)、マイケルジャクソンも見てくれが嫌過ぎて整形をしまくっていたそうです。

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しかし、コンプレックスには陽性のものと陰性のものがあって、人生において問題になるのは陰性のコンプレックスであることは言うまでもありません。

 

陰性のコンプレックスは、多感な思春期前後に、特に容姿について、兄妹や友人から馬鹿にされる事で発症することが多く、しばらくは「延々と鏡を見る」、「こんな容姿に生んだ親を恨んで家庭崩壊になる」などの症状があらわれます。

 

大体の場合成長と共に症状は緩和していき、自分の嫌な部分ではあるけれども、受け入れるしかないよね、という陽性のコンプレックスに変容していきますが、成人してからも陰性のままコンプレックスを持ち続けてしまう場合があります。

 

身体醜形恐怖症(しんたいしゅうけいきょうふしょう)の症状

さらに一歩症状が進むと、身体醜形恐怖症(醜形障害とも)という病気となり、単に自分のコンプレックスを気にし過ぎるだけではなく、それが原因で

外界との接触を極端に避ける
引きこもりがちになる
抑うつ状態が続く
1日に通算1時間以上鏡を見る

などの症状を発症してしまいます。

 

尚、コンプレックスの対象は、他人から見れば本当にささいな、どうでもいいことである場合が殆どだそうです。

 

ちょっと長くなりますが、かなり秀逸だと思いましたので、Wikipediaの説明を載せておきます。

醜形障害者の日常生活における困難は、鏡などの反射物(鏡、ガラス、水面、なべのふた、スプーン、ペットボトル、食器類など)に映る顔全体の影形やその姿であり(更に症状が進むと、太陽や照明機器に照らされた影による自らのヘアスタイル、横顔の造形なども気になりだす)、その対象物を何十分、何時間という単位で目で確認し続けるという強迫性障害でいう強迫確認または強迫行動によって支配される苦しみや苦痛である。また外出した際は他人の視線(顔や容姿全体、こだわっている箇所)を意識しすぎて、ショーウィンドーのガラスや車のガラス、バックミラーなどに自分の顔や容姿を映し様々な角度から自分のこだわっている箇所を確認し続けるという行動をとる。その姿が自分の思っていた顔や容姿とのイメージと合致した場合は、気分が高揚し安心感を持ち、かけ離れていた場合は酷く落ち込み、目的だった事柄や場所に行けず冷や汗を掻いて引き返してくることもある。また外出時は自分の顔・容姿のこだわっている箇所を他人と必死に比べようともする。

また反射物に限らず、写真や映像(カメラやビデオ)に撮られることも嫌い、その自身が写った写真や映像から目を背けたり写りたがらない。写真や映像に写った自身の顔・姿のイメージが自己のイメージと合致すれば上記の様な心理状態になり、違った場合は落胆し鬱になったり、写真の場合は破り捨てることも見受けられる。その結果、履歴書などに載せる証明写真を撮るのに支障を来す場合がある。

(中略)

家庭内暴力にまで至るケースもある。

またこれら反射物による恐怖を発端とする忌避行為により、日常生活に多大なる影響を与える。特に就労に関してこの問題は大きい。自分の顔への恐怖は、裏返せば他者の視線への恐怖であり、面と向かってのデスクワークや会議、及び面談等もまともに正対して視線を合わすことさえ困難を極める。結果的に、能力的にできる職種であっても、醜形恐怖が先行するあまり、自ら職業の選択を狭め、最悪何も仕事を選べないという状況になり得る。プライベートにおいてもそのような状態では恋愛はおろか友人関係を築くのも著しい困難を生じる。
醜形恐怖患者の中には、もちろん誰にでもあるような、客観的に見られる体の醜さで悩む事もあるだろうが、それ以上にその「醜い」「容姿が気になる」という思考・感情をコントロールできない部分にこそ本当の根深き問題が隠されている。

常に付きまとわれる容姿についての悩み(強迫観念)とその不安を消失させるために鏡を見る等の確認行為(強迫行動)、そして鏡や反射物を恐れる(逃避行動)は、全て強迫性障害によく見られる行動パターンである。健常的範囲での容姿コンプレックスであれば、一時的な観念的悩みはあれど、強迫行動や逃避行動までには至らない。また、鏡を見る行為ひとつとっても、健常者であればエチケット・身だしなみとして気軽に見る行為であるが、醜形恐怖患者の場合は、そのような要素よりとにかく不安を抑えるための確認作業・苦渋の解決策として極度のストレスを伴いながら鏡を見る。これらの点を踏まえると、この障害は精神病というよりは、先天的あるいは環境による性格的・神経症的な要素が強い。したがって、この症状は外界からのストレスに比例しやすく、労働や人間関係等でストレスが増すとこの症状もまた増幅する傾向がある。このような悪循環なループに陥る事が多く、醜形恐怖患者は、自己解決能力が著しく乏しいとも言える。

高頻度でうつ病を合併しやすいのも特徴的で、これは強迫性障害患者においてもよく見られる。持続的に襲われる容姿に対する不安・恐怖やそれを抑えるための確認・逃避行為によって、精神が疲弊し、結果的にうつ病が導かれるものと考えられる。また、醜形障害患者はある程度の割合で自臭症も併発しやすい。これは、自分の臭いによって他人に迷惑を与えていないか、あるいは自分の容姿によって他人に不快な気分にさせていないか?という両点で対人恐怖症的要素が強く反映されている。また、客観性を欠いた、妄想的なとらわれから醜くないにもかかわらず、自己を醜いと判断しこの症状に陥る事もあり、これにより統合失調症の前駆症状としてみなされる事もある。強迫性障害から派生する場合は、統合失調症の妄想性と異なり、性格由来の「完全主義」「頑固さ」が局部的な思考の歪みとして容姿に集中するために起こる。この点で、ひとくちに醜形恐怖といっても、強迫性障害や統合失調症等その発生過程は異なる。





ちなみに私は身体醜形恐怖症的状態であることには間違いありませんが、的、とつけるのは、診断を受けたわけではないからです。

 

私の場合、おでこ(若はげ)が原因ですが、中学校の頃から気にしており、当時は1日3〜5時間程度は鏡を見たり、携帯のカメラ機能を自取り設定にして見にくい顔を眺めては憂鬱な気分になっておりました。

 

現在は比較的緩和されてはおりますが、これは「敢えて鏡を見ない」という訓練を実践してきた賜物であって、別におでこが異様に広い自分を肯定的に受け入れる事ができたわけではありません。

 

だから、確かに未だに会社で鏡を見るのは嫌で殆どみませんし、逆に家では、さすがに何時間も見ませんが、長い時間見る事はあります。

 

自臭症でない分まだましだと思うしかなさそうですな、、、

対策について

原因がそもそもよくわかっていない病気ですので、治療法も特にこれと言ってありません。

 

ただ、対応方法としては、大きく2つあると言えるでしょう。

 

一つは美容整形、もう一つは心理カウンセリング的手法です。(投薬治療もあるようですが、あまりメジャーではないそうです)

美容整形によるコンプレックスの解消

身体醜形恐怖症は、非常に些細な容姿の問題を、あらゆる問題の原因としておしかぶせてしまう、というのが本質的な理解です。
私の給料が低いのも、モテないのも、太ってるのも全部この団子鼻のせいだ!というような。

 

ですから、団子鼻を整形で治すことで、少なくとも原因の除去が可能です。

 

整形して綺麗な鼻をゲットすることによって、マイナス思考だった考えが好転することで、人生を前向きに捉えられるようになり、結果的に身体醜形恐怖症も解消する、というケースも実際にあるそうです。

 

しかしながら、せっかくお金をかけて整形をしても、身体醜形恐怖症の症状がよくならないケースがあるようです。

 

この部分の説明は、あの有名な高須クリニックのDr.高須幹弥氏による解説が秀逸ですので、一部抜粋させていただきます。

私が診察した全ての身体醜形恐怖症患者様を治療させていただくわけではなく、中には治療をお断りさせていただくこともあります。

どういうタイプの身体醜形恐怖症患者様の治療をお断りさせていただくのかというと、それは、攻撃型の粘着気質タイプの方と理解力があまりに乏しいタイプの方です。身体醜形恐怖症で攻撃型の粘着気質タイプの人は、仕事や人間関係や恋愛が上手くいっていなく、その原因が自分の顔や身体にあると思っている人が多いです(実際には性格に問題があることが多いです)。そのため、手術が上手くいっても、仕事や人間関係は良くならず、良くならないのは手術に問題があると思い込んでしまい、医師とトラブルになることがあります。

身体醜形恐怖症で理解力が乏しいタイプの人は、術前のカウンセリングで説明したことを理解し、覚えておくことができないため、術後にトラブルになる可能性があります。このタイプの人は、例えば二重の手術の場合、「こういう二重になりたい」という強い願望を持っていることが多いのですが、実際にその通りにするのは物理的に不可能であることがあり、「不可能なので、こことここはこうなってしまいます。でもこことここは希望通りになります。」と詳しく説明しても、理解し記憶することができないため、術後に説明した通りになっていても、「私が思っていた二重になっていない」と、医師とトラブルになってしまいます。

これら2つのタイプの方々は、術後のトラブルを避けるため、カウンセリングの際にその兆候が見られたら、手術を丁重にお断りさせていただくことがあります。出典:身体醜形恐怖症の人は美容整形を受けるべきなのか?

かいつまんでいうと、身体醜形恐怖症で攻撃型の粘着気質タイプの人と、身体醜形恐怖症で理解力が乏しいタイプの人は整形をしても根本的な解決にはならない可能性が高いということです。

 

こういう方で、身体醜形恐怖症の解消を目指したい方は、認知療法などのカウンセリング的手段を取らなければなりません。

逆にいうと、上記のタイプに当てはまらない場合には、整形は身体醜形恐怖症改善に効果がある可能性が高いと言えるでしょう。
 


次に、カウンセリング手段であり、正式に効果のある治療法として認められている認知行動療法について見てみましょう。

 

グローバルスタンダードなものは暴露反応妨害法、また一部日本では森田療法も効果があるとされています。

 

暴露反応妨害法

暴露反応妨害法というのは、エクスポージャーとも言って、患者が強迫観念を持っている事象に晒すとともに、それとセットで現れる脅迫行為を敢えてさせない(妨害する)ことを繰り返すことで、症状を緩和させるものです。

 

私の場合、おでこがきになるので前髪を作っていますが、強風に煽られて他人に広いおでこが露見しそうになったら、直ぐに手で前髪を押さえる訳ですが、この場合、「広い(見られたく無い)おでこの露見」が脅迫観念で、「とっさにおでこを隠す事」が脅迫行為となります。

 

おでこを隠してはならない、というのを聞いただけでも冷や汗がでますが、患者の精神状況に配慮して、徐々に徐々に慣らしていくことが重要視されているので、実際にやると確かに効果があるかもしれませんし、自分で意識することで自己解決できるかもしれません。

 

森田療法

森田療法はややマイナーですが、森田正馬さんがかなり前に精神病の治療として始めたものになります。

主に、
隔離(ただひたすら隔離された環境で寝る)
一時的な軽作業&日記作成&面談
継続的な軽作業
社会復帰準備

の4段階に分けられ、一貫して「あるがまま」という考えを重要視する治療法です。

 

こちらも入院が前提ですが、やろうと思えば自分でもできるかもしれません。特に日記作成などは、ブログを書く、でも良いわけですから、自己解決の一助となるかもしれません。

まとめ

身体醜形恐怖症の症状と対策を書いてきましたが、元凶となるコンプレックス、というのは本来は自己で消化しなければならない問題ですし、多くの人は悩みながらも自己解決している問題です。

 

やや広い見方をすれば、結局身体醜形恐怖症で悩んだり、そうでなくても長くコンプレックスを引きずってしまう人は、あらゆる面で自己解決能力が低いのかもしれません。

 

幼いころから親が何でもお膳立てをしてくれたり、親の言う事をよく聞いた、手のかからない子供だった人ほど、身体醜形恐怖症になり易いのではないかと思いました。

 

なので、本当に悩んでいる人がいた場合、入院や薬に頼らず、自分で出来ることから初めて見るのが、問題解決の糸口になるのではないかと思いました。

 

また、もし子育て中の場合、自己解決能力を身につけることができるような教育を心がけて欲しいと思います。




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