コアトルはこれまで大病と括られるような病気にはなったことは、幸いにもありません。
しかし、唯一「病気になった」経験をとして、高校生の時、急性化膿性リンパ節炎と診断されたことがあります。
この時は本当に恐ろしく、このまま死んでしまうのかもしれないと思ったほどです。
この記事では、当時の体の異変、兆候と、この病気に関する最低限の情報について述べてまいります。
この病気は、当時の先生が言うには、「特に10代〜30代の、むしろ健康的な若い人がかかりやすい病気。」とのことでしたので、
誰もが罹る可能性のある病気です。
急性化膿性リンパ節炎とは
先に、この病気についての医学的な説明を簡単に見ておきましょう。
急性化膿性リンパ節炎は、咽頭炎や扁桃炎などの感染症がもとで、リンパの流れに沿って感染が広がり、リンパ節に炎症が起きた状態です。
咽頭炎や扁桃炎のほか、口内炎や歯周炎、中耳炎、頭皮や首にできたおできの化膿などからも感染をおこし、。通常、感染を起こした左右片側だけのリンパ節が腫脹します。
リンパ節は首、股のあたり、鎖骨のあたり、脇など様々なところにありますが、このいずれかが腫れて痛くなったら、何らかのリンパ節の炎症を疑った方が良いでしょう。
病気の前兆 首のリンパの腫れ 首の痛み 高熱
最初に体の異変を感じたのは、普通の風邪のような症状が出たことです。
ただ、時期が夏の真っ盛りだったので、変な時期に風邪を引いたな、とちょっと不思議に思っていたくらいだったのですね。
しかし微熱が出てから数日後、首の右側が少しずつ痛くなってきました。
そして不思議に思って首のあたりを触っていると、丸い、コリコリしたリンパ節がいつもよりかなり大きくなっていることに気づきました。
リンパ自体は、ばい菌が入って炎症が起こった時に腫れると言う一般的な知識はあったので、部活で怪我をしたところからばい菌が入ったのだろう、
と、最初は軽く考えていました。
ところが、風邪の症状が出てから、3日経っても、4日経っても、一向に回復する様子を見せないどころか、
右側の首だけがどんどん大きくなって、鏡で見た時に明らか一目でわかるほどに腫れていることがわかりました。
また、首の痛みは日々日々増していき、とうとう首を持ち上げたり、首を振ったり、振り向いたりすることさえ困難になりました。
そして、とうとう、その首の痛みで全く、一睡もできなくなってしまったのです。
この段階ではさすがのコアトルも焦りました。
そもそもリンパに関わる病気は全部大病のイメージで、
例えば癌はリンパ液を経由して転移する、とか、HIVに感染するとリンパが腫れると言う初期症状が出る、
などと保健体育の教科書に乗っていたので、もう自分は長くないのだ、と絶望するほどでありました。
熱を測ると何と40度を超えており、ここに至っていよいよ親に事情を説明して病院に行きました。
不思議と40℃の熱にもかかわらず、病院に着いた頃はそれほどしんどくはありませんでした。
簡単な問診をして、熱が40度に達していることが病院側に伝わると、当時はSARSが流行していたと言う事情もあり、
急に看護師さんが真剣な眼差しになるとともに、病院全体に緊張感が走ったのを覚えています。
待合で問診と体温測定をしたので、周囲の来院者も私を汚いものを見るような目で見て、私から距離を置き始めたのを見て、
本当に惨めな気持ちになったのを覚えています。
最初に行ったのは小さな町医者だったのですが、そこで簡単な診察を受けた結果、「おたふく風邪っぽいけど、年齢的にありえないし、ちょっと原因不明。大学病院に紹介状を書くからそこに行って。」と素っ気なく言われ、その足で大学病院に直行しました。
そして大学病院でエコーによる検査などをしたところ、下された診断が、化膿性のリンパ節炎である、と言うことでした。
具体的な原因は特定しかねるけど、若い人がよくなる病気で、珍しいことは珍しいけど、そんなに心配することはない、と言われました。
その時の女医さんが、高校の先輩であることもわかり、私はようやく安心したのでありました。
数週間前に、部活で大きな怪我をしており、幹部が化膿していたことなどを総合的に判断しての診察結果でした。
入院も勧められたほどですが、別に自宅療養でも薬を延ば問題ないとも言われたので、処方された薬を持って自宅に帰りました。
確か抗生物質だったと思いますが、薬局に薬を取りに行った際、薬剤師の人が、「飲まれるのは15歳以上の方ですか?体重は40kg以上ありますか?」と聞いていたのを鮮明に覚えています。
かなり強力な薬なので、対象年齢以下の人が飲むと、胃に穴が開くのです、と言っていたのを聞いてますます怖くなりました。
で、家に帰って薬を飲んで、安静にしていたら、翌日には嘘のようにリンパの腫れも、痛みも引いて行きました。
こうして一時は死をも覚悟した体調不良はここに解決を見たのです。
病院に行く前までは本当に辛くて、常に「誰か助けて」とつぶやいていたのを今でも覚えています。
リンパの腫れ、と言うのは病院に行き慣れていない人の場合特に恐怖を感じるでしょうし、ますます病院に行くのも億劫になるかもしれません。
しかし、リンパの病気で、それほど大事には至らないような病気もむしろ多く、薬を飲めば簡単に症状が良くなる病気である可能性の方がむしろ高いようです。
病院嫌いの人も、一刻も早く通常の日常を取り戻すためにも、私と同じ症状が出た場合、できるだけ早めに病院に行くことをお勧めいたします。