主体性を持つことは重要だけれど主体性を他人に押し付けるのはよろしくないと思う

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人生の悩み

「主体性」という言葉はまさに現代日本における重要キーワードと言えると思われます。

 

コアトルの記憶では、すでに小学生だか中学生の時点で、通信簿に主体性に関する評価欄があったと記憶します。

 

また、もっとも主体性が問われる社会人になってからは、主体性に関して以下のような真理が存在することを肌で如実に感じます。

 

○主体的に行動は確実に(人事)評価に繋がる。

 

一方で、この主体性なる行動特性があまりに重視されるが故に、その言葉が一人歩きしているような気がします。



「主体性」は意識して現れるものではない

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労働現場においては、頻繁に以下のような言葉が聞かれます。

 

「もっと主体的に動きなさい」

 

こういう場合、その状況によって意図するところは千差万別ではあります。つまり、指示がないからといって、指示されるまで何もしないことを叱責していう場合もあれば、

 

毎日最低限のルーティンだけをこなしている2年目の若手に、はっぱをかけるためにそういう場合もあるでしょう。

 

しかしいかなる場合においても、コアトルはこの主体性なる概念に関して以下のような信念を持っています。

すなわち、

・主体性は自発的に生まれるものであって、言われて出来るものではない

 

よくよく考えれば当たり前のことではあります。

 

今まで特に自分が主体的に動けているかどうかなんて意識もせずに仕事をしてきた人が、いきなり「もっと主体的にやれ」と言われても、何をどうやればいいのかさっぱりなのです。

 

面食らいますし、きっとイラっとするに違いありません。

 

ところがこんな当たり前の事実を直視しずに、原理原則論を振り回す野郎が多いこと多いこと。

 

「みなさんもっと主体的に動きましょうよ」とか「みなさんを見てると他人事のように思えるんですよ」とか。。。

 

それはそれで事実なのではありますが、周囲の人は主体的に動けていないのはちゃんと理由があって、それを捨象して単に主体的になれ、なんて言っても周囲の人が付いてくるわけがないのです。

主体的に行動できない理由

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ではその主体的に動くことができない理由、というのはなんであるかということですが、主に以下の3つであります。

①:知識と経験がまだ浅いこと
②:(①と関連しますが)取り組んでいる業務の意義や理由を理解して仕事をしていないこと
③:自信がついていないこと

 

で、ぶっちゃけて言えば、確かに上記3つの事項については、それぞれ各人が、まさに主体的に学ぼうという姿勢があれば、自然と身につくものでありまして、結果的に主体性もそれに伴って生まれてくるもの、と言う側面もあるにはあります。

 

しかし、そこまで出来る人はなかなかいないのですね。よっぽど優秀な人だけです。

 

だからこそ、経験のある人や上司にあたる人たちは、部下や後輩たちには、上記の①〜③を伝道し、薫陶してやらねばならないのであります。

 

ここまできますと、あの有名なる元帥山本五十六氏の「やってみせ・・・」が、より味わい深く感じられるのであります。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」

「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

「苦しいこともあるだろう 言い度いこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣き度いこともあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である」

出典:空飛ぶ畳

(ちなみに余談ですが、戦時中に作られた国民歌「山本元帥」は超名曲ですので、是非youtubeで聞いて見てくだされ。)

特に一番最初の、「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」はまさしく、人が自発的に行動するために、先達者が施すことができるエッセンスを端的に言い表していると言ってよい。

つまり

・やってみせ 言って聞かせることで、知識と経験を付与し、

・実際にやらせて見て、そして褒めることで自信を持たせる

 

そうすることで、勝手に主体的に動くことができる人材を育成することができるというわけであります。

 

にもかかわらず巷では全然そんなことを伝えずに、やってもみせないし、言っても聞かせないで、とりあえず「主体的に動け」と言う。

 

言っている本人はある程度知識もあって背景も見えているのですが、見えていない人にとっては、そもそも何をして良いかわからないのです。

 

だからまずは自分が率先してやらないといけません。

 

周囲が後からついてきても、これはちっともフリーライドなどではないのです。

 

もし逆にあなたが、自分を客観視した時に、「自分は周囲よりも主体的に物事を考えられている」と思ったのなら、今の時点であなたが持っている知見やノウハウを、

 

惜しむことなく周囲の人に伝達しなければなりません。

 

同じ組織の人間として、それは義務であると心得るべきなのであります。

 

但し、これ、誰にでもできることではない、ということは覚えておく必要があります。

 

というのも、先ほどの山本五十六の名言の前段、「やってみせ 言って聞かせ」た内容が、そもそも的外れだったりすることの多いこと多いこと。

 

これは我が国の、特に(中間)管理職層の人材の層の薄さも大いに関係するのですが、ここが的外れですと、

 

部下も不安になるし、結局正しい手段が取れずに、自信を失って転職したり、あるいは鬱になったりしてしまう。

 

こうなるとどんどん縮小再生産、ちっとも人材も育たないということになってしまい、これはまさに今日本経済界が抱える構造的問題とは思いますが、

 

管理職クラスの人というのもある意味では薄々自覚しているので、逃げているのかもしれません。

 

自分でも何をどうしたらいいかわからないから、とりあえず全部部下に丸投げする。しかし明確な指示も出せないので、とりあえず「もっと主体的に動けよ」などと放言しているように思われてなりません。