ユダヤ人に優秀な人が多いのは何故?理由は単純だが度合いが違う

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コアトルの放言

ユダヤ人について調べると、彼らが相当複雑な歴史を持っている事が分かります。

 

ディアスポラで世界を転々とするようになって以降、その不屈の精神で今日まで生き残ってきた民族です。

 

そのユダヤ人については、その神秘的なエピソードから事実無根の陰謀論まで幅広く語られていますが、このエントリでは、

 

ユダヤ人の優秀性について探ってみたいと思います。




ユダヤ人とはなにか

ユダヤ人がなぜ優秀かを述べる前に、まず最初にどうしても述べておく必要があるのは、ユダヤ人、という血統的民族があるのではない、ということです。

 

ですから優生学みたいに、遺伝子的にユダヤ人が優秀である、というのはまったく誤りである、ということを理解しなければなりません。

 

なかなか日本人からは理解のしにくいことではありますが、民族というものが、

 

血縁によって構築されるという当たり前の事実が、ユダヤ人の場合そうではないのです。

 

というのも、彼らユダヤ人は長い歴史の中で国をなかなか持てませんでした。

 

日本人の場合当然国がありふるさとがありますから、土着性というのは当然のもので、

 

同じ国に住む同じ言語を話す、そして同じ国にお墓がある人間は、一々DNA鑑定などしなくても、血縁的に日本人だと判断しています。

 

一方ユダヤ人の場合、ユダヤ教に入信すれば、ユダヤ人とみなすと、ハラーハーというユダヤ法に記載されています。

ユダヤ人の母親から生まれた者、あるいは正式な手続きを経てユダヤ教に入信した者がユダヤ人であると規定されている

だから私が今日ユダヤ教に入信したら、一応はユダヤ人を名乗れるわけです(勿論きちんと戒律を守る必要がありますがね)

 

これがユダヤ人に関する理解を難しくしている理由で、この民族に関する、悪い言葉でいうと曖昧なところが、陰謀論を助長している原因かもしれませんね。

 

ちなみに、血縁的には旧約聖書に言うアブラハムさんの子孫がユダヤ人の源流で、古代には今のパレスチナあたりに暮らしていたと言われています。

 

以降周辺国との争いに破れて、紆余曲折あって世界中に散らばってしまったわけです。

 

そういった民族が今の今まで滅亡せず生き残ってきたバイタリティは凄いと言わずにはいられませんが、逆に、世界に散らばらざるを得なかったことが、

今のユダヤ人達にプラスに働いている、と言うことも見逃せないのも事実です。

他国に行って、異民族として扱われる中で、他の文化に同化したり、吸収されないようにするためには、戒律を整備し、またそれを重んじ、

しつこく共有することによって、何百年もの間ばらばらであっても、一貫した同質性を保つことができた側面も在るからです。

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ユダヤ人は何故頭がいいのか

で本題のユダヤ人は何故優秀か問題、です。

 

ユダヤ人の優秀性はちょっと統計をあさっただけでも火を見るよりも明らかです。

民族別知能指数では世界で最も高く、一例としてノーベル賞の22%、フィールズ賞の30%、チェスの世界チャンピオンの54%がユダヤ人である

ユダヤ人の全世界に占める人口構成は凡そ0.2%と言われていますから、その異様な優秀性がお分かりになるかと思います。

 

しかし、繰り返しになりますが、遺伝的に優秀な民族だから、というのは全く成立しません。

 

ユダヤ人は決して、血縁的民族集団ではないからです。

 

ユダヤ人が優秀なのはいくつかの理由が考えられますが、私は大きくはこの2つだと思います。

○両親、特に母親が非常に教育熱心

○タルムード(ユダヤ教における戒律みたいなもの)では、度を超した飲酒などの娯楽は禁じられている

結局のところ人の人生を決めるのは自助努力以外に他なりません。

 

他の宗教の悪口を言うわけではありませんが、祈ることも大事ですが、祈るだけでは救われることは難しいと思います。

 

特にユダヤ人は苦難の歴史を歩んできた民族で、国家も長く持たなかった民族ですから、

 

いざと言う時国家が助けてはくれない分、自分で自分の身を守る、ということを骨の髄まで理解した民族です。

 

そういう背景から、知識というものはいくらでも頭にためられる、と、兎に角若い頃から教育を施します。

 

自分の民族がメインでない国家の教育機関からの教育なんて信用できませんよね?

 

だから徹底的に家庭内で教育をするわけです。

 

また、ユダヤ人は少なくとも他の宗教信者や民族よりもストイックです。

 

これも民族の歴史的背景が強いでしょうが、やはり少数派が社会で認められるには、少なくとも勤勉でなくてはなりません。

 

だから度を超した飲酒や娯楽は戒められています。

 

だから簡単に言えば、良く勉強するし、遊びもあまりしない。

 

そして勤勉に働く。

 

こういう条件が揃っただけでも、当然成功する可能性は高いと誰がみても明らかです。

「いや、日本人にもそういう人は沢山いるだろう」

という反論が聞こえますが、勿論その通りです。

 

日本人も勤勉な民族であり(日本人の勤勉性がいかに身につけられたかは速水融の近世日本の経済社会に詳しいです)、

 

受験戦争も激しいですから、やはり優秀ですし、それは我々日本人はもとより、世界の人々からも認められた事実です。

しかしユダヤ人の方が優秀性で頭1つ抜出ているのは、単純にそのストイックさが違うのだと思います。

 

日本人の場合、特段戒律などというものによって勤勉性が裏打ちされているものではないので、やはり怠ける人は怠けます。

 

ユダヤ人にだってストイック具合には差がありますし、怠ける人ももちろんいますが、やはり社会における平均的な水準が高ければ高いほど、

 

競争も誘発され増々レベルが上がっていくと私は思いますから、

 

その平均的水準という部分ではやはり日本人は負けていると思います。

 

怠けて勉強しない、仕事をろくにしない、等と言う人は日本には沢山いますし、近年増々その傾向が顕著です

 

生活保護受給世帯も増加の一途をたどり、国家による福祉政策に対するモラルハザードが顕著です。

 

労働集約的な職場はどんどんなくなり、資本集約型産業である第3次産業が殆どを占める中で、日本人が培ってきた勤勉精神も失われつつあります。

 

こういう状況では増々ユダヤ人との差が開く一方です。

 

とちょっと脱線しましたが、ユダヤ人が優秀なのは、非常に単純な理由ということなのです。

 

但しその度合いが非常なものではない、ということを肝に銘じて、我々日本人も、バイタリティあふれるユダヤ人に負けないように、

 

時代に合わせた進化を遂げていく必要があると思います。

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