メンズセルフカットで8年やり過ごした男の物語 意外とやり過ごせる技術と方法

TheJadedEye / Pixabay
コンプレックス

私は以前、良い子症候群の記事や、醜形恐怖症の記事等で、美容院にいけなくなったり、自分の顔が気になり過ぎて社会生活がまともに遅れなくなってしまうリスクについて書きました。

美容院に行くのが異様に億劫な男性は「いい子症候群」 原因と傾向と対策
そのコンプレックス 身体醜形恐怖症じゃないですか? 症状と対策

 

実を言うと、私はこの両方をこじらせており、特に症状が強い次期がありました。

 

それは思春期も真っただ中の15歳から20歳くらいに掛けてで、私はこのせいで人生の最も貴重な期間の8割を無駄にしました。

 

私の場合、特に若はげ、異様な程におでこが大きく、しかも生え際の両方がかなり明らかに薄くなってきており、高校生にも関わらず風の強い日は家を出たくないと思う程でした。

 

これはもう本当に辛かったのですが、これが原因で身体醜形恐怖症をこじらせてしまいました。

 

主な症状ですが、まず他人におでこが露出しているのを見られるのを極度に嫌だと思ってしまい、少しでも風が吹いたりするととっさに前髪を押さえずにはいられない衝動に駆られるとともに、出来るだけ自分の醜い顔を見られたくない、という思いから、相手の目を見て話したりすることが出来なくなる、というものでした。

 

相手の目を見ると、相手の目がこちらを向いているのがわかるので恐くなるからです。

 

私はこの極度の醜形症で、美容院に行くことが出来なくなりました。



何故醜形症になると美容院に行けなくなるか?

醜形症になると、実は自分の顔を自分で見る事はそれほど苦ではありません。

 

鏡で自分で自分の顔を見る場合、写り方をある程度コントロール出来るからです。

 

ですから自分の顔を写すにあたってのベストポジションを熟知しているので、その角度、表情、髪型を完全にキメた上で鏡に写せるのですね。

 

ところが床屋にいくと、まず美容師が勝手に髪をいじってしまいます。

 

それどころか前髪を切る際は思いっきり前髪をかきあげたりします。

 

さらにさらに美容院の鏡って結構良いやつ使っているので、自分の家で鏡を見る時とは写り方が明らかに違うのですが、これがまた自分の期待する顔として写らないのです。

 

加えて美容院には美容師以外にもお客さんがいますし、店のスタッフもいます。

 

また、洗髪も勝手にされるし、髪が水にぬれた状態で他人に自分の顔を見られるなんて本当に穴があったら入りたい気分で顔が真っ赤になって嫌な気分しかしません。

 

しかも大体思った通りの髪型にならないし、お金まで取られる。。。

 

こういう状態を何回か繰り返しているうちに、もう髪の毛は自分で切ろうと思い立ちました。

TeamXris / Pixabay

髪をセルフカットして8年の歴史を紡ぐ

こういう思いに至ってセルフカットを始めたのは高校1年生の時でした。

 

丁度その時私は2ちゃんねるを結構みており、自分と同じ悩みを抱える人の書き込みをみて安心をしていましたが、その中にセルフカットに関するスレがありました。

 

それをしっかり読み込んで、まず守らないといけない事を確認しました。

 

これは結局のところ、その後8年続くセルフカット人生の原型となりました。

 

絶対守らないといけないのは、正直1点だけです。

 

梳バサミを使うこと。

 

この一点につきます。

 

間違っても普通の紙(髪ではなく)を切るハサミを使ってはいけません。

 

これを使ったら最後、増々醜形症候群に拍車がかかり、本当に外出が出来なくなってしまいます。

 

次に重要な事は三面鏡が家にあるかどうかです。

 

私は運良く家に三面鏡がありましたので、それなりに上手く後ろの毛もカットする事が出来たような気がします。

 

すきバサミと三面鏡があれば、あとは新聞紙を大量に洗面所とその床に敷き詰めて、少しずつ少しずつ切っていけば大丈夫です。

 

正直醜形症気味の人は、他人からどう思われようと、自分自身がその顔や髪型に納得出来ればそれで幸せである、という少し特殊な習性を持っています。

 

割と自分のイメージに近い髪型にするのは、自分の理想のイメージが強いだけに、思ったより簡単に、しかも上手くカットする事が出来ます。

但し、切る時は以下の注意を絶対に守るようにすべきかと思います。

注意点1 切る前に髪は濡らすが少し乾かしてから切ろう

ちょっと考えればわかりますが、髪がぬれていれば濡れているほど切れ味は良くなりますし、一回のカットで沢山の毛が切れます。

 

逆に完全に乾燥した状態で切ると毛が絡まって切りにくくなりますので、やはり風呂上がりに、ある程度髪を乾かしてから、少し濡れたくらいの状態でカットするようにしてください。

注意点2 明るい場所で切ろう

特に醜形恐怖症の場合は、明るいところで自分の顔を見るのは勇気がいります。

 

しかしその恐怖に甘えて、暗がりで髪を切ってしまうと、あとで明るいところで自分の髪型を見た時、衝撃を受けるほど変な髪型になっているリスクがあります。(私も一度経験があります)

 

ですから、出来るだけ多くのライトをつけて髪を切るようにしてください。

 

注意点3 出来るだけ少しずつ 特に前髪は

あくまで利用するのは梳バサミではありますが、特に前髪を切るときは用心してください。

 

前髪は見る人にとっても、自分にとっても、印象に対して非常に大きな影響力を持ちますから特に慎重に切るようにしましょう。

 

逆に後ろの毛は、美容院でも良くやってくれるように、ジョキジョキ切って大丈夫です。

 

以上の事を守れば、あなたがセルフカット初心者でも、ある程度まともな髪型に仕上げられるでしょう。

 

但し、何度も言いますが、ハサミは梳バサミを使ってください。

 

しかも出来るだけ良いハサミを買う事をお勧め致します。

 

私は当時東急ハンズで3000円くらいの奴を買って、それを8年間使い続けました。

 
今はもう売っていないようですが、最低でもこれくらいの奴を買っておけばまず失敗は無いと思います。


 

8年間、周囲の人間から髪型について言われたことは、殆どありませんし、驚くべきことに、家族からは「良い髪型しているね」と言われたのです。

 

もっとも家族は私が髪を自分で切っていることを知っていましたが、特にとがめることもなかったし、気の毒な目で見ていたと思います。

 

が、何も言わなかったのは、本当に、案外いい感じに切れていたからだと思っています。

 

8年後、東京に来て、彼女が出来て、さすがにこれ以上自分では切り続けられないと思って、思い切って美容院に行きました。

 

「何かちょっと髪が揃ってないですね。自分で切ったりしました?」

 

私は当然聞かれると思っていたので、冷静に

 

「忙しくて切りにいけなかったので切っちゃいました。申し訳ないですが整えてください」

 

と言ってそれで終わりました。

 

8年も切り続けておいて、美容師さんには「切ったりしました?」くらいのテンションでしか言われなかったわけですから、人間案外なんとかなるものですね。

 

8年間美容院にいかなかったことにより、凡そ10万円近い節約になったことを思うとそれだけでも価値があったと思っています。

 

今さらまたセルフカットをしようとは思いません。それは私の醜形恐怖症が少し良くなったからだと思います。

 

思春期で、醜形恐怖症で苦しんでいる人がいたら、そして美容院にいくのが本当に鬱に感じているようなら、またセルフカットを少しでもやろうと思っているなら、1回くらい挑戦してはいかがでしょうか?

 

経験者として、精神的苦痛を緩和するには大変有効な方法だったと思います。