アドラー心理学によると幸福になるには自己の貢献感を意識すれば良いらしい

コアトルの心理学探究

半年程まで、「嫌われる勇気」という、勝間和代時代から続く〇〇の勇気とか、〇〇の力というお決まりのタイトルで世に出たアドラー心理学に依拠した魂の産婆術モチーフの心理学かつ自己啓発本。

1500円もしますが、正直本を読慣れた人なら40分くらいで読み終わる平易な本です。

 

多分内容については、カントの哲学書のように、読む人それぞれにとって全く違った風に読める場合と、「我が意を得たり」と納得感を持って読み終わる場合と、2通りある本であると思いましたが、私はどちらかというと後者の方で、少なくとも自己肯定感は高まったような気がします。

 

正直なところ、1500円も出して読む必要は無いと思いましたが、要点をまとめておきますので、読まなくても以下だけを押さえておけば大丈夫だと思われます。



人は都合の良い理由をつけて自分を甘やかしている

引きこもりの人がいる場合、彼/彼女が何故引きこもりになったかを説明する場合、フロイト学派の心理学が席巻し、既に浸透した現代においては、「過去のいじめや虐待のトラウマが原因である」などと説明してしまいがちです。

 

しかしアドラー心理学的にはこれは誤りであって、引きこもりになるにはもっと現在のその人にとっての現実的な理由があると解釈します。

 

例えば、人に会いたくない、もっと言うと人と関わって傷つきたくない、無職なら就職しないといけないが就活に失敗して自己を否定されるのが恐い。

 

だから引きこもりをしているが、それは引きこもりたいから引きこもっているのであって、過去のトラウマなどを持ち出すのは、実は自己欺瞞であると言うのです。

 

これをもっと極端に言うと、人は悲しいから泣くのではなく、泣く為に悲しいという感情を利用している、となりどこかで聞いた事があるかもしれませんが、良く引用されるこの言説もアドラー心理学に依拠しているものかと思われす。

 

これから導かれることは、人は変わろうと思えば直ぐに変われるということです。

 

過去のトラウマは虚構的な欺瞞であるならば、催眠術やカウンセリング治療を受ける必要等ないのです。

 

ただ傷つきたくない、という今のあなたの恐怖感をぬぐい去って、一歩踏み出す勇気があれば、いかなる過去の不幸があっても、現状の不足を打開できる、というのがアドラーの主張なのです。

自分の理想へ邁進するのは良いが人と競争しても幸せになれない

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むかしガルブレイスだかブェブレンだかが、有閑階級の理論だとか、なんとかまあ忘れましたが、人は延々と他者と差異化を図る事で、資本主義経済は発展する、みたいなことを言っておりましたが、こういう枠組みの中では幸せになれないと看破するのがアドラー心理学です。

 

正直当たり前ですね。

 

人間には優越性の追求欲というのを誰しもが備えており、これが原動力となって人間の文明は発達したとも言えるでしょう。

 

マイケルダグラス主演のウォール街の名台詞、「強欲は善なり」(原文はGreed, for lack of better words, is good.)も同じ用な趣旨での発言かと思われます。

 

これについて非常に人は誤解しやすい。

 

優越性の追求、というのは他人と競争することでは無いのです。

 

あくまで自分の理想に対して、どこまで近づけるか、ということを目標に、日々いまこの瞬間を生きていく、ということを言っているのですが、人は直ぐに他人と、比較出来るような指標を以て、勝負の次元で物を考えてしまいます。

 

こうすると勝敗がつくまで争いが終わらない、というだけでなく、仮にあなたが勝利を得ても、それはかりそめの勝利であって、敗者は必ずあなたに報復してくる、、、

 

という無限ループが続いてしまう。

 

こうなるとドツボで、最早幸せからはほど遠い人生を歩まなければならない、とアドラー心理学は解くのです。

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貢献感が即幸福につながる

人間はどうやったら幸せになれるか、という点について、「そんなものはないよ」と鼻から諦めてあまり深く考えません。

 

一方でアドラーはこの問いに極めてシンプルな答えを出しました。

 

即ち他者への貢献感を得ることが幸福であると述べたのです。

 

そして何より重要なのは、結果的に他者への貢献となれば良いのであって、他者から評価されたりするための貢献ではない、ということです。

 

もっと言うと、だいぶ話をはしょっているので理解不能かもしれませんが、この世に生きている、ということだけでも世界の中に意味があるのであって、存在するだけで貢献感を得る事は可能、ということです。

 

交通事故にあって瀕死の兄がいたとしましょう。

 

病院に駆けつけたあなたは、兄が一命を取り留めたと聞いて、それだけで「助かってくれてありがとう」と感謝するはずです。

 

これを思いっきり延長すれば、あなただってこの世に存在するだけで感謝される存在と言って差し支えないのです。

 

つまり幸せになろうと思えば、いつでも誰でもすぐに幸せになれるのだ、というのがアドラー心理学の主張なのです。