読書する時に頭の中で音読をするのは駄目なの?速読を誤解しない事が重要

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コアトルの放言

コアトルはそれほど読書習慣はないのですが、そうはいっても月に二冊以上は必ず読むようにしております。

今読んでいる本は、ヴェルナー・ゾンバルトの「ユダヤ人と経済生活」ですが、これは読み終わったらどこかのタイミングで記事にまとめたいと思っております。

さて、私のことは置いておきまして、今日は読書する時に、頭の中で音読をしても良いのか、という問題を考えてみたいと思います。




精読すべきか速読すべきか

まず結論から申し上げれば、あなたが毎日1冊は本を読まないといけない程、ソフィスティケイテッドでハイレベルなビジネスマンまたは業界人でなければ、頭の中で音読してもまったく問題ありません。

理由ですが、端的に言ってしまえば、無駄な読書体験ということを最大限さけることが出来るから、ということに付きます。

以下少し回りくどい説明になるのですが、お付き合い下さい。(私はいつも何でもかんでも回りくどく説明してしまう悪い癖があるのです)

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速読という流行に惑わされるな

3、4年程前からでしょうか。

速読というものが流行しました。

「これであなたも速読脳になれる」、「外資系コンサルタントの速読術」等と言った新書が多く販売され、テレビ等でも特集が組まれるようになりました。

これは私は非常に危険な兆候であるとおもっておりまして、つまりこれによって速読というものを大きく誤解する方が増えるのではないかと懸念したのです。

速読とは、一般の人が精読して読書する時に得られる情報量と同等の情報を、同等のレベルで取得し、かつ読書スピードが速いことをさすのだと。

これはまず、まるっきり間違いであることを指摘しておきます。

どういうことかというと、速読、というのは、あくまでも読飛ばしを許容することを前提としたものでありまして、ゆっくりと精読する、頭の中で音読して読む場合に比べて、得られる知識量というのは極端に少なくなるのです。

速読が有益なのは、特定の分野について十分詳しい人が、その分野に関する本を読む場合などでして、この場合、まず

○目次を読んで、目新しそうな話題や新しい知見、著者の独自見解の部分が何ページ目にあるかをさっと見る

○それに基づいて、他の部分については、目を通しはするが、基本的に読飛ばしながらページをめくる。(一応斜め読みはしつつ、既存、既知の知識についておさらいを頭の中でする。1ページ2〜3秒程度で。)

○目次で目をつけた場所に来たら、その章のタイトルと最初の見開きページと最後のページくらいは10秒〜数分程度で読む。

という流れで1冊の本を読み終えるのです。

これが本来の速読でして、既知の部分については、ある意味では読む必要が無いからこそ、結果的に読飛ばしが可能となるのです。

多くの分野について、広く精通していればしているほど、速読可能な本が増えていくので、結果的にそういう人は速読することが多くなりますが、自身が門外漢の本や、初めて読む小説などについて、このような読み方をすることはまずありませんし、やっているとしたら只の馬鹿です。

単に同じ情報収集量であることを前提として、相対的に読書のスピードが早くなることを意味するのではないからです。

頭の中で音読するのはいけないことなのか

読書する時に、頭の中で音読するのが駄目というわけでは全くありません。

読む人が、それが一番著者の主張を理解出来る読み方、また楽しめる読み方ということであれば、どんな読み方でも良いからです。

しかし、人間与えられた時間は少ないので、多くの人が、出来る物ならもっと多くの本を、普通の理解レベルを維持しつつ、早いスピードで読めればいいな、と思っているわけです。

この場合、頭の中で音読をせずに本を読み進める方が、音読するよりも読書スピードは速くなるわけですが、これは先ほど述べたように速読を意味するのではありません。

もし頭の中で音読をせずに読んでも、得られる知識量が音読をした時と同程度であれば、頭の中での音読はする必要はない、ということになるでしょう。

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頭の中で音読せずに精読するのは可能

コアトルの経験上から断言しますが、本を読むのに慣れてくれば、頭の中で音読をしてもしなくても、読後における知識の習得レベルは同程度にすることが可能です。

これは本当に本をどれだけ読むかということにかかっており、逆に言えばそれだけで十分です。

但し、最初は本を読んだ後に、何も見ずにその本から得た知識や知見やそれから発した自分の見解などを、何かにまとめる習慣を付けると良いでしょう。

それで、複数の別々の本について、頭の中で音読をした時としなかった時とで、顕著な違いがあるかを振り返ってみるのです。

この習慣を癖付けておくと、読んでいる間にも、「あ、ここは覚えておいて後でまとめよう」という意識が生まれますので、習得される知識、知見の質が高まりますし、頭の中で音読をしない場合の読書の質も結果的に上がってくるのです。

読書はやはり習慣が大切ですが、続けていけば少なくとも、平均の人よりも読書スピードが早く、しかも知識習得量も劣らない、という状態には達せられると思います。

それがさらに積み重なっていけば、最初に述べた所謂「速読」というものが、初めて可能になるのではないかと思います。