ユダヤ人大富豪 マイアーアムシェルロスチャイルドの異常な敬虔さを表すエピソード

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ユダヤ人について

ユダヤ人大富豪一家として最も有名なのがあのロスチャイルド家であることは間違いありませんが、この栄華を誇る一家の土台を築いたのが、1700年台〜1800年代にかけて活躍したマイアー•アムシェル•ロスチャイルドです。(ドイツ語読みだとロートシルト)

 

彼は資本主義時代の発展と共に興隆したロスチャイルド家中興の祖と言ってよく、御用商人として蓄財をしたあと、各国の王族貴族たちともコネクションを広めました。

 

ロスチャイルド家で特に有名なのが彼の息子であるネイサン•ロスチャイルドで、彼はワーテルローの戦いでナポレオンが敗れたという結果をいち早く入手し、まず株の空売りをしかけナポレオン勝利という事実とは異なる風説の流布を実施します。

 

この後株が暴落したのを見て、大量の株を底値で買い戻し大もうけをしたのです。

 

ナポレオン敗北の報が誰の耳にも入った頃には時既に遅し、多くの人がネイサンの謀略に騙されて大損をしたのですが、ネイサンがこのように機密情報をいち早く入手出来たのも、父親のマイアー•アムシェル•ロスチャイルドが築いたコネクションの恩恵を受けたからに他なりません。

 

さて、このマイアー•アムシェル•ロスチャイルドがユダヤ教に対していかに敬虔であったかを示す面白いエピソードがあるのでご紹介致しましょう。



ユダヤ人が金持ちな理由は敬虔だから?

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ユダヤ人にお金持ちが多い理由に答えるのは一筋縄ではいきません。

 

この記事で簡単に結論を出してしまおうというほど拙速ではありませんが、このマイアー•アムシェル•ロスチャイルドに関して、そのユダヤ教への傾倒ぶり、敬虔さに関する面白いエピソードがありますので、以下引用致します。

男爵(※コアトル注:マイアー•アムシェル•ロスチャイルド)は、フランクフルト•アム•マインでもっとも経験なユダヤ人とされている。わたしはひがな1日シナゴーグのなかで、ロートシルト男爵のようにはげしくおのれをさいなみ、胸をドスンドスンとたたき、天に向かって叫び、万物の父なる神に向かって号泣する男をこれまでけっして見た事がない。不断の祈りのすさまじさと、歌唱に持続的に参加することによって、彼はしばしば失神し、卒倒した。そうなった彼をふたたび正気に返らせるため、彼の庭に生えている強力な麻酔性のある植物を鼻先につきつけることもあった。出典:ユダヤ人と経済生活

これは、ヴェルナー・ゾンバルトのユダヤ人と経済生活の中で引用されている、マイアー•アムシェル•ロスチャイルドがいかに安息日を祝ったかに関する記述です。

 

勿論これ自体が、彼が何故お金持ちになったかを語ってくれるわけではちっともありません。

 

しかし、ここまでユダヤ教の教えを盲信するというか狂信して、というと失礼なので言葉を変えますが、いかに敬虔だったかということには驚かされます。

 

あなたが何かの宗教に傾倒していても、これほどまでに全身全霊を掛けて各種儀式、儀礼を果たすのは難しいことでしょう。

 

同書の少し後には、彼の甥であったヴィルヘルム•ロートシルトもまた、儀式の掟をとことん守り通したというエピソードが伝えられています。

世俗内の禁欲とタルムード

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マックスウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」では、カルヴァン派の教えを世俗内禁欲と表現するとともに、これが資本主義の発展の原動力になったと説かれています。

この対極にあるのが、仏教やカトリックの出家制度でして、出家をする、ということはまず世俗を離れるということですから、世俗外禁欲とも言われます。

 

これはまた別のエントリで紹介出来ればと思いますが、ユダヤ教の経典であるトーラー、即ち創世記や出エジプト記等の書物以外にも、ユダヤ教徒が守るべき規律、法を定めたタルムードという書物があります。

 

この書物は、世俗におけるユダヤ教徒のあるべき行動規範がびっしりと書かれているのですが、もしカルヴァン派の世俗内禁欲が資本主義の発展に貢献したのであれば、ユダヤ教のタルムードの教えもまた、十分にそれに貢献したと言えるかもしれません。

 

タルムードでなくても、ヘブライ語聖書群の1つ「箴言」には例えば、

「富める者の宝は、その堅き城である。」
「正しい者の家には多くの宝がある。悪しき者の所得には煩いがある。」
「謙遜と主を恐れることとの報いは、富と誉れと命である。」

 

などの言葉が並んでいて、世俗における蓄財を徹底的に悪とした宗教改革以前のキリスト今日の考えとは真っ向から対立するものです。

 

このように富の獲得を肯定する教えを含むユダヤ教の各経典をも、上で述べたように敬虔な態度で接していたことは、彼が富豪となるのに一役かったに違いないと思うのです。

 

もちろん、だからといって、ユダヤ教の各経典を読めばお金持ちになれる、などとは言うつもりはありません。

 

しかし、ユダヤ人に富豪が多いことの1つの秘密は、やはりそこにあるのではないかと思うのです。

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