コアトルは以前、ユダヤ人が優秀である理由は、実のところ単純な理由である、
という趣旨の記事を書きました。
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ユダヤ人が優秀である理由は、単に勉強熱心、特に親が教育熱心であることと、
ユダヤ教が極めて禁欲的で遊興を戒める性質の宗教であることが大きいのですが、
そういった作用を経て成長したユダヤ人の中でも、特に有名なユダヤ人を何人か紹介したいと思います。
全員、現代人として知っておかなければいけない最重要人物とも言えるかと思います。
アルベルト・アインシュタイン
言わずと知れた天才物理学者はドイツ生まれのユダヤ人です。
無名の特許庁職員が1905年(奇跡の年と呼ばれる)に発表した論文は、瞬く間に学会に衝撃と共に受け入れられますが、
彼を後に有名にする特殊相対性理論に関する論文は当初はあまり評価されなかったということは覚えておいても良いかと思います。
これに関連して、実はアインシュタインがノーベル賞を受賞した時の受賞理由は、
「理論物理学の諸研究。特に光電効果の法則の発見」となっていることも知っておいて損はありません。
つまり相対性理論が受賞の理由ではない、ということなのです。
まあ、実際には相対性理論の成果に対して授与されたに違いないのですが、
その論理の新規性、斬新性、結論の異質性などから、政治的、宗教的な理由で、あえてこのような回りくどい書き方になったものと言われています。
ジークムント・フロイト
イケメンで有名なこの精神分析学の草分け的存在、他の追随を許さない科学界のイノベーションを起こした、
20世紀の重要人物もまたユダヤ人であります。
現在発症している精神的な障害というものは、過去のトラウマといった経験が原因であるという、
現代においては常識的と思われるようなメカニズム発見への道を明確に開いただけでなく、
その解消方法についても徹底的に追求しました。
時に奇抜なその学説や治療方法は、学会からの批判を受け、受け入れられない日々が続きましたが、
徐々に理解者も増え、今尚色褪せない科学史上の金字塔となっています。
精神分析学における発展はもとより、特筆すべきはその思想、芸術面への影響です。
フロイトの無意識思想に影響を受けたものとして著名なのが、シュルレアリズムです。
思うがままに描き表された絵などが、実は内なる真理を具現化している。
意識、意志というものが過大評価されていた時代に現れた彼の学説は、時代を先取りしすぎていたとも言えるでしょう。
ウラディミール・ホロヴィッツ
ウクライナに生まれた天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツもユダヤ人であります。
気品ある顔立ちにそぐわぬ天才的なピアノの技術は、ピアノに縁がない人が見ても鳥肌ものと言えるでしょう。
ショパン、ラフマニノフ、ピアノの魔術師リストなどの演奏が有名ですが、特筆すべきはその技法でしょう。
少しピアノを習ったことがある人ならわかるかもしれませんが、習い始めの頃必ず言われるのが、
指はまっすぐ伸ばして弾いてはいけない、添える感じで弾きましょう、というものです。
しかしホロヴィッツはその逆を地で行く天才です。
よくもまああんなに指をピーンと伸ばしてなお、あれほど滑らかで強弱のある演奏ができるものだと感心するばかりです。
それもこれも、やはり親による幼い頃からの英才教育が大きく影響しているものと思われます。
デイビッド・ロックフェラー
20世紀を代表する実業家で、あのアメリカの超大富豪、ジョン・ロックフェラーの孫、デイビッド・ロックフェラーも、
現代人なら押さえておかなければならないユダヤ人のキーパーソンです。
惜しくも2017年に101歳で亡くなりましたが、彼が失読症(ディスレクシア)を患っていたことはあまり知られていません。
読み書きに障害が出てしまう病気で、英単語を読めるけど、書けない、あるいはかけるけど、読めない、と言うようなことが頻繁に起こってしまうため、
学習上大きなハンデになると言われています。
にもかかわらず、彼は必死で学び、最終的にはシカゴ大学で博士号まで取得しています。
またそれだけではなく、チェースマンハッタン銀行の頭取としても活躍しました。
またそれ以外に、世界の安定的な統治に対しても尽力し、例えば、ビルダーバーグ会議から日本が除け者にされてしまっていたのを不憫に思い、
別途、日米欧三極会議の設立に尽力するなど、日本との関わりも非常に深い人物でありました。
あの昭和天皇を、自宅に招いた唯一の民間人でもあると言う、まさに伝説的人物です。
ガル・ガドット
ワイルドスピードシリーズへの出演で世界的に有名になり、映画ワンダーウーマンでスーパースターの仲間入りをした女優で、日本ではガル姉さんの愛称でもおなじみのガル・ガドットもイスラエル出身のユダヤ人です。
天才、高IQ、ノーベル賞受賞率の高さなど、高い頭脳の持ち主が多いという印象が先行しますが、ナタリーポートマンやこのガルガドットなど、美人で世界的に有名な女優が多いのも、意外な特徴かもしれません。
スティーブン・スピルバーグ
映画界の巨匠、スティーブン・スピルバーグもユダヤ人です。
ジョーズ、インディージョーンズ、ジュラシックパークなど数々の名作を世に送り出した天才映画監督の一人で、興行的にも大成功を収めている人物です。
日本通、日本好きであることでも有名ですが、これは若い頃に芽生えた黒澤明監督など、日本の映画人への興味が遠因にあると思われ、彼が行き詰まった時には、
7人の侍など、日本映画を参照することも多いそう。
これまで述べたように、ハリウッド業界には一般にユダヤ人が多いと言われていて、これは日本の感覚だとお笑い芸人さんに大阪出身が多いのと同じようなものと考えて差し支えありません。
この理由ですが、ユダヤ人への差別が今よりもうんと酷かった時代、自由の国アメリカでさえ、ユダヤ人はなかなか食にありつけなかったと言われています。
当時映画業界というのは、賤業、つまり一般の人があまりつきたくない職業というコンセンサスがあって、それで職にあぶれたユダヤ人たちが多く映画業界に集ったのがきっかけと言われています。
ユダヤ人のバイタリティには、いつも感嘆させられるばかりです。