これからの職業選びをどうするか IT、副業 そして1940年体制からの脱却

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コアトルの放言

皆さんは1940年体制―さらば戦時経済という本をご存知ですか?
1940年体制―さらば戦時経済  

元々は東大➡大蔵省のエリートである野口悠紀雄氏が書いた本で、かなり玄人向けの、やや難しい本ですが、非常に有意義な気づきを与えてくれる本です。

1940年体制という言葉は、どちらかというとマスコミ先行で世に広まりましたが、学会でも徐々にではありますが、定説化されているような、専門家の厳しい目にも耐えうる主張です。

要約するのも難しいのですが、私個人の感想でいうと、1940年以前(戦時総力戦体制以前)の経済状況、働き方は、むしろ今我々がイメージする欧米経済のそれに近かった、という主張です。

すなわち直接金融中心(起業は銀行から借り入れをするのではなく、株式市場から主に資金調達する)、終身雇用でない労働体系(転職するのが当たり前)という具合に、ここ20年くらい、ようやく日本もそうすべきだ、と主張されてきた仕組みが、実は戦前の日本では当たり前だった、というわけですね。

そして、何故そんな体制になったか、具体的には終身雇用制度、年功序列型賃金、企業別労働組合など、日本に特徴的な経済上の仕組みが出来てしまったのか、というと、それは長期の持久戦争に備えるためだった、ということなんですね。

労働者に、1つの会社に長く働いてもらう事で、生産性を高めるとともに、万が一戦争になった場合には、安定した高い品質の軍需品を生産させようというのが根本的な動機だったわけです。

頻繁に転職なんかされたら、また他の人に一からやり方を教えないといけないので手間な訳です。

もちろん、本にはより制度的な面からの記述が詳細になされていますが、ここで語る程の知識もコアトルにはないですし、出来たとしても長くなり過ぎるので、ワークスタイルに絞って考えることで、21世紀の時代、どういうワークスタイルで主流になるのか、どう働いていくべきかを考えたいと思います。

戦前日本のワークスタイル

繰り返しになりますが、戦前の日本では、各自の適性だけでなく、気分や天候に応じて(寒くなってきたので、名古屋はやめて博多で働こうなど)、職場を転々とするのが当たり前でした。

一応言っておくと、農民は別です。
農民の場合、殆どが小作農、つまり地主に許可を得て、農業をさせてもらっている人達が大半ですから、自由に物理的な移住をしつつ農業をする、ということが困難ですからね。

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それ以外の職業については、余程の大企業の労働者以外は、基本的には2〜3年で転職するのが当たり前だったし、今の時代のように、会社側に、転職に対する忌避感情があるようなことはなかったわけですね。



1940年体制の地滑り的崩壊

今の一般的な企業の場合、やはり年功序列、終身雇用、そして新卒一括採用というのがまだまだ前提となっていますが、これを維持するには、労働者の年齢分布を一定に保ちつつ、収益を拡大する必要があります。

1つの事業分野で、100年単位の成長が見込めた工業や食品などの分野では、そういったシステムはある程度有効だったわけです、

しかし今の時代、そんな成長が見込める事業分野がありますか?

また、今の少子高齢化を考えると、ピラミッド型の年功序列大組織を維持出来ると思いますか?

日本のお家芸自動車産業ですら、わずか数年で台頭したテスラモーターズが現実の脅威として認識されるような時代です。

三菱自動車などは論外ですが、自動車でなくたって、川崎重工や三菱重工など、戦後の日本の重厚長大産業を支えてきた会社において、技術力の低下が叫ばれ、設計上の問題露見など、様々なトラブルが発生しています。

これまで当たり前だった日本の神話が崩壊しつつあるのは間違いありません。

「戦前日本のワークスタイル+IT」は10年後の働き方の常識を変える

逆に、銀座や六本木を歩いてみると、若くして豪遊している人達がいますが、やはりIT系が多い。

ITと一口にいっても、ジャンルは様々ですが、一言で言うと移り変わり、浮き沈み、技術革新スピードが極めて激しく速い業界です。

しかし、移り変わりが激しい、と言うと、一度落ち目になったら2度と立ち上がれないというのがこれまでのビジネスの常識でした。

しかしITの分野はそうではありません。

顕著な例が、mixiでしょう。SNSとしては最早オワコンで倒産するかと思われていましたが、今はソーシャルゲームの分野で大きな利益を出しています。

このように、ITの分野は非常に裾野が広く、一度その業界に身を置けば、比較的転職も容易であるため、元来あるべき、つまり戦争の為に作り上げられたシステムではない自然状態に近い形で生きていくが出来る可能性が高い業界とも言えます。

さらに、一歩進んで、転職、ではなく、いわば自営業的に、自由に生きていく事が出来る可能性を秘めているのもITです。

1940年体制以前の労働環境は、そうはいってもやはりどこかの会社に身を寄せないと生きていく事が難しい時代でした。

しかしながら、IT技術の発達は、その制約すら取っ払って、どこぞの会社に身を置く事なく、また定住したいなら定住、住居を転々としたいならそれもよし、そのようなより自由な生き方に貢献する可能性を秘めていると思うのです。

温故知新で21世紀を生き抜くために目指すべき業種

そのため、今の若い人にはまずIT業界に興味を持って頂きたい。どこでも良いからIT企業に身を置いてスキルを習得する事が、将来自由に生きていく為の1つの糧になるでしょう。

間違っても、「将来株で生きていきたいから、金融知識を身につけるために、金融業界へ」という考え方は持たないでください。株で生きていくのに必要なのはまとまったお金であって、銀行員や証券会社社員としての知識ではありません。

どうしても、従来型の日本企業的な組織で働きたい、そちらの方が性に合っている、と思うなら、公務員になってください。

意外と激務だったりしますが、クビになることはありませんし、業界の浮き沈み、みたいなものは民間企業に比べて皆無と言っていいほど、殆どない状況です。

50年後は、IT企業か公務員しか、職種が大別出来ない時代にすらなるかもしれません。

温故知新で21世紀を生き抜くために習得すべきスキル

スキル、という意味では実はありません。

大事なのは継続する力、忍耐力程度でしょう。

お金持ちになりたいなら方法ではなくまず心得から理解せよでも引用したサミュエルジョンソンの名言通り、

大偉業を成し遂げさせるもの、
それは耐久力である。

元気いっぱいに
一日三時間あるけば、
七年後には地球を一周できる。

です。

しかしITと言うものに対する耐性はつけておかないといけません。特に40代の方なんかは、敬遠される方も多いですが、味方にしないと絶対に損です。

当ブログでも何度も言っていますが、やはりサイト運営というのは、一歩一歩着実に、プラス1円につながる努力をする事が出来ます。

また、前にも述べた通り、ITの世界は裾野が広いため、サイト運営だけでなく、ゲーム作成、クラウドワーク、ネットショップ運営、SNS運営など様々ですし、サイト運営1つとっても、広告収入や有料記事、広告収入にも色々バリエーションがあり、またメールマガジンの配信で利益を得ることも可能です。

素晴らしいのは、これらは全て副業として可能だということです。

今現在職についている方は、ギリギリまで絶対に会社を辞めてはいけません。

これは社会制度上の問題が一番で、冒頭で述べた通り、今の日本の社会システムは、1940年体制の延長にあります。

なので、思想的には、未だに、「頻繁に転職されたら零戦の部品を作る技術が向上しないし、品質が不安定になるから、長く働いてもらえるようなインセンティブを付与しよう」という考えです。そこが出発点なんです。
そして具体的なインセンティブ、というのが企業別の労働組合であり、年金制度であるのです。

こういった状況に大転換が訪れていない状況では、残念ながらルソー先生の言う自然状態的な経済状況、私の解釈だと、自由に転々と転職出来るような環境を促進する社会システムの整備が出来ていないわけですから、片足は旧来システムのテリトリーに突っ込んで、国家からの恩恵を充分に享受するのが良いでしょう。
納税者の当然の権利ですからね。

と、まあこんなことを、高々高校生のお小遣い程度しか稼げていない私が言うのもなんなのですが、こんなに後発組の私でも、充分に可能性を実感出来るわけですから、やはりお勧めしないわけにはいかないのです。