資本家と起業家及び実業家は違う概念 混同すると株でお金をなくすだけ

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お金の悩み

我々は資本主義の経済システムの世の中に生まれ、その社会的利益を何も考えずに享受し当たり前のように暮らしていますが、残念乍ら小学校や中学校や、あるいは高校ですら、あまりこの経済システムについてきちんと学ぶ機会は殆どないのではないでしょうか。

 

大学生になって、教養の授業で経済系の授業を取ったりして、何となく聞きかじる程度でしょうが、驚愕なのは例えば経済史の授業の先生ですら、国富論のアダムスミスは、節操ない利益至上主義型の、アメリカ型経済の泰斗だなどと誤解を与えるような教え方をしていたりして、とてもそこで得る知識が正しい理解に基づいたものとは言えない状況なのです。

 

というのも、アダムスミスは別の著書、道徳感情論で、経済の健全な発展には、他者を思いやる気持ち、同情、共感、というものを各プレーヤーが持たなければならないと口酸っぱく解いていますが、今あまり顧みられることはないのです。

(この本は名著です)

 

で、ちょっといつも前置きが長くなるのですが、資本家と起業家あるいは実業家の違いは何なのでしょうか?

 

ここではこれらの違いに焦点を当てたいと思います。



資本家とは何か

資本家とは、誤解を恐れずに言えば、株の配当で生計を立てている人であると理解して構いません。

 

キャピタルゲイン、つまり買った時と売った時の差分で利益を得ている人ではないのです。

 

こういう人は株やとか投資家、投機家と言った方がいいのですね。

 

残念ながら、世の中にはやや誤解される形で資本家が説明されています。

 

つまり「お金儲かるよ!」系のTwitterアカウントや、副収入系のアフィリエイトサイト等では、資本家と労働者という簡単な2極的な分類で世の中を説明し、あなたも命を切り売りする労働者を止めて、資本家になろう。

 

資本家になる為にはまずは株取引をする為の証券口座を開きましょう!!等と言ってSBI証券などのアフィリエイト広告に誘導する。。。

 

こんな馬鹿げた話は無いのです。

 

最初に述べたように、資本家はあくまで配当で生計を立てるのですが、例えば毎月30万円を配当で得るために必要な資本金は、まあ話を単純化して、年に1度の配当で、利回りが2%(東証一部上場企業の平均利回りは1.5%に満たない)だったとるすと、年間360万円を得る為に必要なお金は、1億8000万円です。

 

だからまあ、あなたが今資本家に成りたいと思うのなら、まず最低限2億円近い資産が無いといけないのですね。

 

これを勘違いして、何か株式投資を始めれば資本家になれるような気がして株に手を出す人が多いのですが、仮に手を出しても、到底資本家にはなれず、憐れななんちゃって資本家が生まれ、実態は養分になるだけなのです。

 

もっとも、例えば100万円の元手から2億円の資産を作り出せる可能性は0ではありませんが、ラスベガスで大当たりを当てるようなものですので、期待するのも馬鹿げています。

 

ですから、こういうマインドで株に手を出すのはあまり意味が無いと言えるでしょう。

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物事には順序がある 起業家や実業家とは何なのか

産業革命が華やかなころ、フランスではブルジョワジーという言葉が生まれましたが、この人達は元々ある程度お金を持っていた人です。

 

資本主義の発展とともに、元々お金を持っていた人達ブルジョワジーが、事業をする人達にお金を提供し、その見返りとして配当を受け取る。

 

この繰り返しにより経済はざっくりと言えば繁栄してきたわけですが、この構図は今も当てはまります。

 

最近よくベンチャーだなんだと、もう15年くらい前から言われていますが、こういう人達は、フランスの例でいう、「事業をする人達」であって、お金を提供するのが資本家です。

 

日本の場合、銀行が融資をするパターン(所謂銀行資本家、間接金融)が多かったのですが、担保が無くても資金を得られるのは、資本家からの出資ですので(但しその分リスクが大きいので、資本家に対しては銀行利子よりかは高い配当を払う)、事業をする人からするとどちらかと言うと資本家からお金を提供してもらった方がベターな場合が今は多いのですが、ちょっと話がそれるのでこのくらいにしておきましょう。

 

で、何が言いたいかと言うと、資本主義の世界で、今資本家で無い人が、資本家になろうとするなら、先ほど述べたように2億円用意する必要があります。

 

サラリーマンをしていて、自由に使える2億円を用意出来ますか?

 

そりゃあ生涯賃金では超えるでしょうが、殆どは家のローン、教育費、その他の必要経費で無くなります。

 

ですからサラリーマンではダメなのです。

 

そこでやはり自分で事業をやって、大きな収益を自分の物にする必要があります。

 

そのとき、資本家にお金を出してもらっても良いですし、出して貰わなければ、文字通り利益を独り占め出来るということですが、こういう人のことを起業家とか実業家と呼ぶのです。

 

(それ故、資本家かつ実業家及び起業家、というカテゴリはあり得る。)

 

起業家は、資本家になるための第一歩であり、ここである程度小金を作れるかどうかが、資本家への成功の道に進めるかどうかの大きな岐路となると言えるでしょう。

 

実のところ、事業そのものに面白味を見いだす人は、企業のオーナーとしてメディアでも取り上げられますから世に名前が通っていますが、単にお金を出すだけの純粋な資本家は我々には見えないのです。

 

が、少なくとも世に名前が通っている、あるいは歴史に残る人物で資本家、あるいは資本家と実業家の両面を併せ持つ人達、即ち、ロックフェラー、ロスチャイルド、フォード、カーネギー、セシルローズ、ウォーレンバフェット、、、こういった人は、始めはそれほど裕福な家に生まれたわけではなく、自分達で事業を起こして小金を作って、それを再投資して大金持ちに成りました。

(ビルゲイツなどはかなり実業家よりの資本家ですが、その子孫はMicrosoftの経営者的人格から徐々に離れて、より資本家的な性格に移り変わっていくでしょう。)

 

逆に、事業を起こさずに小金を作った人、我々はこれを投機家とか相場師と呼びますが、こういう人の末路は多くの場合憐れです。
(もっともバフェットの場合は元々株の取引について天才的な才能がありましたが、企業保険の積立金が大きい会社を買収し、これを元手に資産運用をやる、と言う事例を見てもとても投機家と同日に論じることはできないでしょう。)

 

こういう事例を知れば、とてもいきなり株に手を出して資本家に成ろう、というのがいかに馬鹿げた話か分かるでしょう。

まとめ

またダラダラととりとめの無い文章を書いてしまいましたが、言いたい事は1つだけです。

○サラリーマンが資本家になりたいなら株ではなくまずは事業をやりなさい

但し、誤解しては行けないのは、サラリーマンだって十分事業家の側面があるということです。

 

公務員でなければ、正確には勤め先が営利企業であるならば、必ず事業でお金儲けをしています。

 

そこでは必ず何かしら学ぶ事があるでしょうから、急に会社を止めて起業などする必要は無いのです。

 

平行して事業をしてもいいし、まずはサラリーマンとしてお金を作って、それを元手にラーメン屋を始める、でもいいでしょう。

 

それから、よく金持ち父さんみたいな本があって、私は全然読んだ事ありませんが、紹介される際に不労所得という言葉が出てきます。

 

これはまあ配当も不労所得ですから、何となく言いたいことは分かるのですが、事業をやる場合、最初から不労所得を得る、ということを目的として初めても多分成功しないと思われます。

 

あくまで世の為、人のためになることを目的に始めないと、軌道に乗らなかったり、途中で挫折する可能性が高いのです。