他人との関わり、というのは正直言ってそれだけでストレスであります。
あの心理学者のアドラー先生も、ストレスの原因は徹頭徹尾人間関係に起因すると看破されており、多くのアンケートでも、ストレスの原因ランキングでは、人間関係の悩みが上位に来ていることからも、多くの人が人間関係でストレスを貯めていることが分かります。
しかし、だからといって他人と交際するのを極端に避ける人がたまにいます。
Facebookやリンクドインなど本名を出す系のSNSを馬鹿にし、ナイトクラブなど馬鹿の猿踊りと見下し、社交パーティーなどはドラマの世界のものと勘違いし、飲み会は忌み嫌い、友人グループと海や雪山に出かけるなど考えただけでも吐き気がする。。。
かく言う私もそうでありますが、やはりこれではいけないと最近思うようになりました。
人間はみんな他人に興味がない

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何故急に、積極的に他人と交際した方が良いと思ったかというと、最近とある、数少ない尊敬する会社の先輩と飲みにいった時の事です。(勿論付き合いだと思って嫌々行きましたが、、、)
その先輩は、交友関係は広く、SNSも積極的で活用し、何より仕事も出来るのですが、彼が言うには「俺も他人には殆ど興味はない」とのことでした。
ぶっちゃけ言うと、私コアトルも、他人に興味などないのは殆どの人がそうなのだろうと思っておりましたが、我が意を得たり、ということで非常に安心したのです。
で、その先輩は続けて、「俺が人と付き合うのは、他人を自分の為に利用するためでしかない。」という。
この考え方は、まさしく真理であると言って良いでしょう。
つまり他人には興味がないのは確かだが、他人を上手く気づかれないように操って、自分の為に働かせる、活用する、という目的においてであれば、他人と交際することは厭わないし、その目的があるからこそ、少々の人間関係からストレスも我慢出来る、ということなのです。
他人に興味がないから他人と交際しない人は優しすぎる
私は上記の考え方は非常に納得出来る部分も多いのですが、イマイチ腹落ち出来ない部分がないわけではない。
というのも、他者を自分の為に利用する、という考え方自体が、非常に悪い事のように聞こえ、罪悪感を感じるからです。
こういう思考に落ちいってしまう人はきっと多いのではないかと推察致します。
利用するために他人と交際するくらいなら、いっそ関わらない方がマシだ。
そちらの方が進歩的だし文明的だし、平和主義だしストレスも無い。
この考え方もある意味では正しいのかもしれませんが、真理ではないな、と思い始めました。
自分のために利用するために、他者と付き合う、ということはそれ程悪い事ではないのです。

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正しい人間関係はギブ&テイク

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他者を自分の為に利用する、という言葉を聞いて罪悪感を覚えるのは、実は視野狭窄の自己中心的な考え方なのかもしれません。
というのも、仮に他者と交際する中で、他者を自分の為に利用出来たとしても、それによって相手が傷ついたり、何かを失ったりする、ということは無い場合が多いのです。
他者の立場になって考えますと、他人だってあなたと交際するなかで、あなたを利用しようとするのでしょうが、仮にあなたが利用されたとしても、あなたが何かを失うようなことは中々要求してこない。
そういう要求をしても、断られることが明白だからです。
経済学にも貿易の理論があって、二国間で交易をする際は、各国は相手国に比べ相対的に多く持っている資源を輸出し、逆に相対的に少ない資源を輸入します。
こういう理屈が人間関係にも当然当てはまるということなのです。
例え話をするとこういう事です。
仮にあなたが働いている会社に、最近SNSで知り合った人が熱烈に入社を希望しているとしましょう。
こういう場合、あなたは社内の人事制度を活用して、転職者の紹介斡旋をすることが簡単に出来る。
もし相手が本当に入社した場合、仲介料として数十万円が受け取れますが、相手からすれば、通常HP経由で応募するより手間が省けますし、面接対策もお願いしやすいし、ということで所謂WIN-WIN状態となるわけです。
相手から見れば転職の為にあなたを利用したと言えるかもしれませんが、一方であなたはそれによって何も失っていませんし、むしろ数十万円のお金を貰った。
こういう美味しい思いをする為に、人は本来的には他者には全く興味はないし、人間関係はストレスの元と分かっていて尚、他者と交際をするわけです。
極端に言えば、積極的に交際をすることで人生が変わる可能性だってあるのです。
世の中には腐る程、まさに腐る程お金を持っている人も意外といるものです。
あなたはお金が欲しくてたまらないとして、あなたが実はそのお金持ちに、いくらでもおごってあげると思わせる程の才能や性質を持っていないとも言い切れないのです。
世の中には色んな人がいますから、こういうチャンスを得て、人生を良い方向に帰る可能性を広げる為にも、積極的に他者と交際しようと心に誓ったコアトルでありました。